電話の愉しみ

自粛生活が長引き友達とお茶タイムもできないとなると、勢い電話でのおしゃべりが多く長くなる。久しぶりの人からも電話か来る。そして最後の言葉はみな決まっている。「ちょっと何かいい話ない？」である。せめてお茶くらいしてもいいようになってほしい。顔を見ながらの話が恋しくなってきた。孫からの電話は声だけで満足。小学生になってもおもちゃを買ってもらえるかどうかが心配らしい。お婆ちゃんのポイントアップの機会である。

エピローグ

朝から小雨。二階の窓から桜並木の土手を見るとうっすらとピンク色に見える。あ、花びらが散っているなと思い、コ－トを羽織って飛び出す。土手のアスファルトの上一面に花びらが敷き詰められていた。小雨が降っているので飛ばされず、ぴったりはりついている。散ったばかりで誰も踏みしめていない花びらは実にきれいである。ほんのりと赤い色が雨に濡れてひときわは鮮やか。草むらの上に散っている姿も良い。1時間ほど夢中で撮って家に戻ると、傘にも靴にも、バックやカメラにも花びらがついていた。

桜吹雪

一陣の風が吹いた直後ではない。目の中に桜色のものが通り過ぎて行った。反射的にシャッターを押すと桜吹雪であることが分かった。スピードを変える暇もない。あっという間に池の表面は花びらで覆われている。またチャンスがあるかと待ったが、桜の散る刻は神のみぞ知るである。望んだようには写せなかったが、今年は花吹雪を見られただけでも良かった。家の横の桜は吹雪くことなく静かに散ったようだ。もう2階の窓から桜色は見えない。10日間にわたる桜狂騒曲は終わった。

惹かれる木

道庁の赤レンガ館前の池を一巡するとき、いつも私の目を引く木がある。季節を通してその姿を変えるが、その度に私の心も惹かれる。名前も知らずに何年もの間撮り続けている。今の時期は新緑の丸い可愛い葉っぱを付ける。少し前は4月の24日にＵＰしたが黄色いリボンのようなものを付けていた。実体より水に映った姿が好きである。今回はしっかり名前を憶えてきた。木の横に「枝垂れ桂」と書かれてあった。かなりの大木であるが、葉は繊細である。秋には紅葉が楽しめる。

百花繚乱

朝から陽が射して気持ちがよい。最近頭痛がひどいので薬をもらいに病院行く。実に20日ぶりの街中である。地下街はゴーストタウンの趣であった。市内で一番遅くまで咲く道庁の八重桜はまだ蕾、札幌の桜は5月末まで楽しめそうだ。我が家の傍の桜はまだ散る気が無さそうである。桜吹雪はお預けである。代わって100個のチューリプの五分の一がツツジの隣にひっそりと開花した。後60個は咲きそうだが、今年の種類は小さく貧相この上ない。

桜とにらめっこ

予報通り午後から雨になる。桜の木にはたくさんの花が付いた房があるので梅のように1輪1輪にしっかり雨粒が付くことはない。かなりの雨でも木の真下に入ると花は濡れていない。今年のように毎日家にいて桜並木の桜を見た年は初めてである。晴れの日、曇天の日、雨の日、風の強い日、それぞれの日の太陽の高さで変わる光に照らされて変化する桜。それを1週間見続けた。後願うのは桜吹雪。どんなに風が強い日でも雨の日でも桜は散るべき刻が来ないと散らない。その刻に出会いたいと明日も桜とにらめっこ。

子供の声が聞こえない

今日は子供の日、晴れ上がってはいたが、気温は昨日よりかなり下がっている。今年は出歩かないので街中の鯉のぼりを見ることはなかった。毎年道庁の赤レンガ館の前には鯉のぼりが暢るのだが今年はどうなのだろう。近所の保育園にかわいい鯉のぼりが3匹揚がっていた。子供達にとってはかわいそうな1日だったであろう。写真は数年前ホテルのポールで泳いでいた鯉のぼり。

花の命は短くて

昨日満開だった梅の花が、今朝は庭一面い花びらを散らしていた。お向かいの車のボンネットにも花びらが散っている。たった3日でその命を終わろうとしている。アスファルトの車道には桜の花びらが飛び交う。まさに「散らばこそいとど桜は目でたけれ」である。変わって木蓮や海棠が次の主役の座を待っている。雨が降り始めた。明日は雨に濡れる桜を撮りたいがどうだろう。

一番乗りのチューリップ

近くにもう1軒スーパーがある。100円ショップもドラッグストアも専門店も何軒か揃っている。少し距離があるし、家までの配達がないので使ったことはなかった。今日は散歩がてら行ってみる。初めての店は売場が分からないのでまごつく。昨日TVでやっていた100円グッズのお掃除セットが目についたので買ってくる。早速ブラインドの埃をとる、なかなか調子が良い。UPした写真は我が家で最初に咲いたチューリップ、今年はどうやら半分くらいしか咲かないようだ。

10.5キロの桜並木

我が家の横を流れる川に沿って住民の植えた755本の桜は20年の歳月を経て、見事な桜並木となった。気温が22度まで上がった今日、桜も一斉に花開き、子供ずれや犬の散歩、ジョギングをする人がみなマスクをして間隔をあけて通っていく。色々な種類の桜を目の高さでも見ることができるので楽しい。自粛の今年は二階の窓からその光景を眺めている。

春の競演

五月初日の今日、この札幌の街にも春が一斉に訪れた。梅、桜、コブシ、レンギョウ、ツツジとまるで示し合わせていたかのように咲き始める。このお客様には「来ないでください」と言うわけにはいかない。我が家の横の桜街道も3分咲きと言ったところか。2階の窓から散策する人の姿が見える。皆程よく感覚を開けながら通り過ぎる。立ち話をしている人はいない。久しぶりに気持ちの晴れる1日であった。