４０年以上前の宝

本棚を整理していた相棒が「こんなモノが出できたぞ」と1冊のノートを手渡した。表紙を見ると「旅行記」と書いてある。めくると12泊13日の旅と題してその下に札幌から回った12か所の地名が円状に書かれていた。さらに繰ると53.7.30の名古屋行きの搭乗整理券が貼られて、その日の日程と感想が書かれていた。ここまで来てこれは息子が9歳の夏休みの旅行記であることが分かる。読み進めるうちに今は忘れていることが走馬灯のようによみがえってくる。　「九谷焼」　ろくろがぐるぐる回り手が粘土を動かす。まるで魔法のようだ。きれいに形ができてくる。パッとうまく切れる。魔法のようなろくろ、その魔法から出るのは皿、湯のみ、茶わん、とっくりなどで、きれいな姿が生まれる。